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一方サラも心の中で名前を呟く。彼女の脳裏には仲良く野原を駆け出す男の子と女の子が浮かんだ。どうやら過去の記憶らしい。
『… … ログ!』
どうやら二人は運命の再開を果たしたようだ。何年かぶりの──
「フェアリーコール・フィーレ、小人の槍騎兵!」
その後ろで巻き起こる戦闘中、リーミスは背中の羽を巧みに利用し宙へ舞っていた。続いて両手を前に伸ばし手持ちの杖を獣に向け、得意とする〝妖精の具現魔法〟で攻撃をかましたのだった。
リーミスの頭上に展開した光の魔法陣を境に、空間を切り裂き次々と突発していく無数の槍がそのまま獣に降り注ぐ。これは古くから伝承されし小人の創る武器に因み、その槍を具現化する術。
流石にこの攻撃をダイレクトに照射した獣は少し怯んだ。隙を見てアイレスタは持ち前の大剣を繰り出し攻撃をかます。二人はギルドが壊れゆくのも気にせず攻撃をかます。
あちらの爪撃を剣で弾いては魔法で弱点を突き──剣を振るってはあちらの尾撃から回避し魔法で返り討つ。強者相手にただ最善を尽くす。いつの間にか回りにいた酒場の客は全員避難していた。というかギルドマスター率いる運営が緊急案内している。
「やめんかっ! いや確かに獣がいたら困るのぉ… … いやでもやっぱやめんかっ!」
するとマスターは酒場の損壊を促すためアイレスタたちの激しい攻撃をやめるよう命令するが正直この行為は正しいのか、よく分からない。
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