第一世 ロストキャンセル

32/96
前へ
/96ページ
次へ
 リーミスは泣きそうになりながらも超魔法を唱えようとした。またあの時みたくなりたくはない、と… … 。 「ブレス攻撃です! 皆さん防御体勢に… … 」  フローラが少し怯えた声で叫んだ。  それもそのはず、この程度の獣とはいえど狭い所で何か吐かれてはギルド、どうなると思う!? 「トル、絶対防御魔法リーミス式!」  リーミスはログを見習い、まだ未完成の魔法に手を加え〝応用〟という形で獣の顔の前へ跳び降り、防御魔法を模倣とした。とにかく今リーミスは本気である。 「よ、よすニャ、リーミス!」  するとリーミスの背中の羽が弾けるように消えてなくなり、同時に獣の口に結界が張られた。この時展開したものは防御魔法ではなくもろ結界であった。  リーミスは魔力の大半を失いその場に屈み込んでしまった。口を塞がれた獣のブレス攻撃は治まったがすぐに結界は破れた。結界の応用は生命には効かない魔法なので無理もない。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

104人が本棚に入れています
本棚に追加