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もっと言うと、世界中の魔法使いの体内に宿す魔力を己の魔法に変換させるという能力は魔導具(マナツール)に対して魔導醒(マナスキル)と呼ばれる。
その魔導醒(マナスキル)が原因で世界中の魔術師を初めとする魔法種族らは古くから恐れられてきた。
ログは表情を固めたままそのような事を軽く口ずさんだ。そして──
『マナが検出された!? この事件もまた迷宮入りか… … 』
『あの魔術師、徹底的に洗い出せ… … 』
ログは一瞬、片手で頭を抱え辛く苦しそうな表情を浮かべたが皆には見えていなかったようだ。
そんな中、サラはもうすっかり皆と打ち解けたようだ。サラは酒場の天窓から見える一つの小さな雲を眺める。
──魔力の近さには驚いたなあ。これでわたしもギルドの魔導士、ギルドの冒険者。
己のものにしたすべての魔法は大地から大気中に侵出した極微量のマナから魔力を生み出しているらしい。でもそれは過剰に行われ大地の枯渇に繋がり、今や環境問題チックな事になっている。
わたしたち人は、有限の魔力という現実を背負っていかなければならない。
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