密事

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愛だの恋だの、そんな言葉は自分達の前では意味なんてなさなくて、 そんな言葉で括れるほど陳腐なものでもなかった。 「用が済んだら出てって…」 肌を重ねた後には甘い言葉を囁くことさえしたことはない。 終わったら、ひとまず用済。 優しい言葉をかけることもなく、 青年はぐったりと横たわる少女から離れ、 自分は脱ぎ捨てた衣服を乱れなく纏っていく。 ―――ほぅら、纏ってしまえば、服の下の熱も、先ほどまでの情事も、     何もかもが無かったこと。     嘘みたい。
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