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障子が閉められ、彼女が去った気配。
青年が視線だけで障子の影を追えば、
やがて影は見えなくなり、消えた彼女の気配に安堵の息をついて、盛大に机に突っ伏した。
一生隠し続けなければいけない想い。
そして認めるわけにはいかない心。
いっそ打ち明けてしまいたいとする葛藤も
総ての感情によって押しつぶされそうな自分。
だが、赦されない。
赦してはいけない。
「……どうしろって言うんだよ………」
「あら、何がですか??」
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