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するとホッと安心したように香椎も微笑んで、やがて小走りで目の前までやってきた。
「馳那…」
「お待たせ」
伸ばされた手を取って繋いで、当たり前の様に傍らに立つ。
「久しぶりねぇ香椎ちゃん」
「……先生…お久しぶりです…」
にこやかに微笑む母親に何処か気まずそうに声を返すのは昔と変わらず、母親はそれをみて苦笑して彼女の傍らに立つ子供達に視線を落とした。
「……あー…私もとうとうお祖母ちゃんか…」
「え?!」
母親の言葉に驚いて目を見開かせた香椎が慌てて馳那を見て、視線があった馳那は肩をすくめて申し訳なさそうに苦笑した。
「この人、勘づいてたみたい……」
言えば青ざめた香椎が更に慌てて母親に視線を戻し、焦ったように頭を下げる。
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