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「…まぁいいわ。
で、いつからそんなことになってたのかしら?」
「…え、それ聞いちゃう?」
「聞いちゃう」
悪びれる気もない馳那に、溜め息をつきながら義母が詰め寄ると、ヘラりと困ったように笑って馳那が香椎を見る。
それに、問答無用の笑みを浮かべながら、義母は圧力をかけた。
「…………………あ…っと………、
義母さんが初めてこの家に来たとき…?」
「…………………………はぁ」
苦笑して答えた馳那に、それを聞いた義母は盛大に突っ伏して、疲れたように溜め息を吐き出す。
「稚早ちゃんから『馳那は節操がないから気を付けなさい』って言われてたんだったわ……早々に手を出されてたなんて……………
いくらなんでも、中学生に節操もなにもないと侮っていたわ……」
実の母の名前がそこに登場して、更にあまりの言われようなことに、否定もできず馳那は渇いた笑いを張り付ける。
目の前で頭を抱える義母に、香椎に苦笑を向ければ、彼女は複雑そうに馳那を見て、そして視線をそらした。
「義母さんが変なこと言うから…」
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