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甘さを含んだ表情から一変、
彼女の表情に感情が見られなくなる。
人形のような取り澄ました無表情。
その表情には、全てを見透かされそうで、
視線を彼女から外し、興味を他のものに移そうと
片付けなければならない作業に思考を切り替えた。
やがて、衣擦れの音が聞こえだし、
完全にこの部屋で行われていた事実は消されてしまう。
自分達の時間はいつも儚いものでしかなかった。
「それでは、失礼いたしました……―――………お兄さま」
パタン――…
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