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「嘘だろ!!絶対嘘だろ?!」
「………煩い」
「誰のせいだと思ってんだ!!」
「………………あたし…?」
「何だその間っ?!何で疑問系?!」
ゼーハー、ゼーハーと目の前で肩で息をするこの男。
南 泰也(ミナミ ヤスナリ)27歳。あたしの担任でもあり、イトコでもある。
そんなヤスは今顔を真っ赤にさせて怒ってる。
理由は―――、
「お前これで何度目だと思ってんだ?…遅刻魔さんよぉ」
あたしが今日も遅刻して学校に来たからである。
元々低血圧なあたしは、朝が大の苦手。
あたしだって遅刻したくて遅れてくる訳じゃない。
睡眠と言う誘惑に何時も負けてしまうのだ。
そんなあたしは今日を合わせると5日連続で遅刻。
だから昼休みの今、ヤスに職員室に呼び出された。
「……、ごめん」
「…はぁ、…ったく。…犂桜、お前明日も遅刻だったら放課後居残りな」
「……分かった」
…居残り何て絶対嫌だ。
明日は何としてでも起きなくては…。
「じゃ、戻ってよーし!」
「…ん、……またね、ヤス」
「おうっ」
ガラガラ
静かに職員室を閉めると、あたしは教室に向かった。
職員室は2階だから、階段を上がらないと教室には着かない。
1年の教室は3階。
2年は4階。
3年は5階
とわかれている。
あたしは1年だから3階って訳だ。
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