赤い池

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「やってしまったやってしまた…」 目の前には赤理の死体が。 僕の手には真っ赤に染まったナイフが一つ。 一瞬で理解した。 僕が彼女を殺したんだ!! 「どうしようどうしよう…」 衝動的なものだった。 虫も殺せない僕がこんなことをするなんて誰が想像できただろう。 だが、いまならわかる。 赤理の愚痴や罵声を必死に耐え抜く僕とは裏腹に、彼女に対する「悪意」は着実にその枝を伸ばし、「殺意」という名の真っ赤な花を今日めでたく咲かせたのだ。 赤理の傷から湧き出るその血は勢いを変えず、服を順調に真っ赤に染め上げている。 そして、その姿を見て安堵した僕はこう口にした。 「…埋めなきゃ」 自首という余地を殺意は僕に譲ってはくれなかった。 殺意はなかなか根強いものなのだ。
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