嫉妬

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悠がクリニックに連れていっている内に巳桜は近くのコンビニでスポーツドリンクやゼリーを買った。 前に泊まった時にお粥を用意してくれていたから、米はあるだろうと思い、レトルトのおかゆを買うのはやめておいた。 もしなければ、後で買おうと思った。 車の鍵を預かっていて、紘斗が診察を受けている間、車で待っておいてと言われたので、言われたように車の中で待った。 しばらく待っていると、クリニックから出てきた。 車の中から鍵を開けると、「お待たせ。」と悠が言った。 「点滴してるから、紘斗の家に先に行きますね。」 そう言って悠は車を動かした。 数分で紘斗のマンションに着き、来客用の駐車場に車を止めて、エレベータホールに向かった。 エレベーターに乗り込み、行き先階のボタンを悠が押した。 流れるような動きだった。 何度も来ているのかもしれない。 悠は、部屋の鍵をなんの躊躇いもなく開けた。 「お互いの鍵を持ってるんですよ。」と悠は微笑んだ。 思わず「いいなぁ。」と呟いてしまった。 「いや、あの、その、羨ましいとか欲しいとかそんなんじゃないですからっ。」 「分かってますよ。」と悠は笑った。 紘斗の部屋へ入ると、紘斗の匂いがふわりと香った。 好きな匂いで落ち着く。 先程コンビニで買ったものを悠が冷蔵庫に入れてくれた。 「米も卵もありますから、おかゆは作れますね。」 「食べられるものがあってよかったです。」 「紘斗を迎えに行ってきますね。」 「はい。」 そう言って悠は車の鍵と紘斗の家の鍵、財布を持って出て行った。
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