薄桃色

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少し肌寒い季節。 ひなたに出れば、温かい。 桜の花びらがはらり。 彼女の視線を奪う。 「綺麗…。」 大学入学式。 「入学おめでとう巳桜。」 「ありがとう、お母さん。」 お互い微笑み合う。 「そろそろ時間だね。先に行ってるね。」 「胸張っていってらっしゃい。」 「はぁい。」 巳桜は入学式の会場となる、大学併設のセレモニーホールに向かう。 「あっ。深雪お姉ちゃん。」 深雪。 巳桜のおば。 「巳桜は?もう式場に向かったの?」 「うん。向かったわ。」 「後でまた会えるわよね?」 「会えるよ。」 「楽しみだわ。何年も会ってないから。」 海外から帰国したばかりだし、と。 「久しぶりだもんね。」 腕時計を見る。 「そろそろ始まるわ。行きましょう。」 式場に向かう。
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