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次の朝澄麗が登校すると、教室内に異変が起きていた。
誰も澄麗に話し掛けようとしない。一種異様な雰囲気だ。
その時、沈黙を破って校内放送が流れる。
『1の2 青木澄麗生徒会長室に来なさい。』
その声は紛れもなく、小林柊也のものだった…。
「何であたし?」
澄麗の親友の華菜が静かに言った。
「澄麗…言う通りにした方がいいよ。」
華菜にまでそんな事を言われて、澄麗は混乱して来た。
とにかく生徒会長室に行こう…。
呼び出された理由が知りたい。
教室を出て長い廊下を歩いて行く。
生徒会長室の前で、澄麗はひとつ深呼吸をした。
コンコン!
ノックと同時にドアが開いた。
「遅い。俺を何分待たせるんだ?」
「え…?」
腕を掴まれ部屋の中へ引き込まれる。
「澄麗は俺の彼女なんだから、俺の傍にいないと駄目だろ?」
「はい?あの…授業は?」
柊也はふふっと笑いながら言う。
「俺が教えてやるよ…全てな。」
言いながら顔が近付く。
澄麗の唇に軟らかい感触…。
柊也からのキスだった。
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