華やかな闇

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 その日、ハリスは犯人に仕掛けた罠が功を奏し、つい先ほど大捕物を演じてきた、その帰りだったのだ。そのため、心身ともに疲れ果て、寝間着に着替える事もせず、ただ上着だけを窓際にあるソファの上に放り出すと、今にも眠ろうかと寝室に足を向けたのだが、その彼の耳に、かすかな物音が届いた。  ハリスは最初、それは疲労からくる幻聴、ただの空耳ではないかといぶかり、無視しようかと考えた。しかし。
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