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コン、コン。と、今度は、先ほどよりもはっきりとした音が響いた。そして、その音に続き、もし、もし、と呼びかけるような声。
ハリスは首をかしげつつ、声のした方向に顔を向ける。そこには大通りに面した窓が一つ。遮光カーテンが引かれ、窓の外は見えないのだが、そもそも、ここは二階である。誰かがそこにいるわけはない。それでも、ハリスは持ち前の好奇心には勝てず、机の上に放り出していた二十八口径のリボルバーを手に取ると、窓に歩み寄った。
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