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「もし、どうか、私をそちらに入れていただけませんか?」
ハリスはその言葉に導かれるままに窓を開けると、その女性を部屋の中に招き入れた。
「ありがとうございます」
女性は礼を言うと、ふわふわとしか表現のできない動きで室内に入り込む。その動きはあまりにも優雅で、この世の物とは思えなかった。いや、事実、この世の物ではないのだ。その女性は、空中を漂っていたのだから。女性が滑るようにして室内に移動すると、部屋の窓はまるでそれを待っていたかのように独りでに閉じられた。
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