第1章*ハジマリは桜の下で

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  ウィステリアとか聞いたら金持ち校!って感じするだろ? そうでもない。 いや謙遜とかそんなんではなく。 現に俺の父さんは、上司と妻に うだつの上がらないサラリーマン。 母さんは昼ドラ見るのが仕事だ。 ようは普通の家。 普通がなんだかよくわからんが。 まぁ学力は高い方だと思う。 だって頑張ったもん俺!塾に朝から晩まで!!むしろ泊まりたかったもん!!! んで、無事に合格した。あん時は鬼…おっと、母さんも泣いて喜んでたっけ。 そしてついに今日が入学式。 今、俺と母さんは静かな住宅街を早歩きで歩いている。 カツカツカツ タタタタタ! カツカツカツカツカツカツ タタタタタタタタタタ!! 「母さん早すぎんだろ!本当にそれヒールかよ?!」 「遅刻しかけてんでしょうがこの馬鹿!!ヒールで50m7秒台よ!!」 …俺の母は怪物なんだ、きっと。  
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