第1章*ハジマリは桜の下で

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  誰かさんが寝坊したせいで遅刻しかけている、とは言えない。 しかし初日遅刻はまずいだろう。 さすがに入学して早々教師に目をつけられたくはない。 やべーなーと思いながらとりあえず走る。 ―走ること約5分。 「あ!着いたよ晴斗!!なんだ後10分あるじゃない♪」 「ハァ…ハァ…あ…おぅ10分?!はやべぇよ…でもやっぱ…でかいなぁ…」 俺の前にはゴシック形式の大きな門が開かれている。見事な造りに思わず見とれてしまう。 はっいかんいかん!入学式!! 呼吸を整えて、ズボンの裾のシワを軽くはたく。 よしっ!! 「母さん!早く講…母さん?」 横にいたはずの母さんがすでに見当たらない。 …ここへ来て母行方不明事件。 あ、でも母さん実はこの学校の卒業生なんだよね。 ってことは場所は大丈夫… 「俺がわかんねぇよ!!!」  
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