第1章*ハジマリは桜の下で

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  どうする?! 母さんが卒業生だからと思って調べずに来たぞ! …こういうとこが甘い?ゆとりのせいだ、うん。 ともかく時間がまずい。普通に考えて講堂>母さんだな。 しかし2分位走っても見つからず むしろ裏のようなところに来てしまった。 「くっそ広いんだよこの学校は…講堂どこだ…んっ?」 走り回っている俺の目に飛び込んできたのは満開の桜が1本。 学校全体は完全に洋風造り。 花壇とか緑の木はあっても、桜は1本もなかった。 別に桜を生まれて初めて見た訳ではない。 でも今目の前にあるこれは まるでヨーロッパの町に日本の町を少し切りとって張り付けたみたいで。 「…すっげぇ、不思議」 桜を見てここまで感動したのは初めてだった。 1本だけでぽつんと立つその姿を儚いと思ったのか、 はたまた堂々とした立ち方に偉大さを感じたからなのか…。 「……ん?」  
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