第1章*ハジマリは桜の下で

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  よく見ると幹のところに女の子。 「…生徒、だよな?」 入学式に行ってないってことは、先輩? ―――ザワァッ… 「!!」 温かい春風が力強く桜の木を揺らした、時だった。 その女の子の横顔が見えた。 真っ白な肌にくりっとした目。 髪は…… ん?癖っ毛ショート? 「い、頂けん…」 いや、人の事をどうこう言える容姿でないことは身にしみついてわかっている。 ただ、あるじゃないか。 桜の下で黒髪ストレートロングヘアーの美少女が佇んでいるって感じ。 横髪に一片、花びらが…的な。 いやあの子も十分可愛いよ?でも黒髪ストレートロングヘアーがいい!! そうだよただのフェチだよ、わりぃか!! 「あ…」 癖っ毛娘は自分の髪に手を伸ばし そして何かをつまみ上げた。 …それはおそらく、花びら。  
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