第1章*ハジマリは桜の下で

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  とりあえずなんとか校内には入ることができた。 だが講堂よりも早く保健室に到着してしまい、一瞬躊躇ったが休む事にした。 これだったら遅刻だなんて言われないぞ! コンコン 「はぁーい」 中から間延びした女性の声が聞こえた。 「失礼します…。」 少し緊張しながら入った俺を出迎えてくれたのは美人で巨乳の保険医さん。 あぁ、なんて理想的な展開。 「どうかしたのー?」 しかも声が可愛らしい!!! 「あ、新入生なんですが、あの…母さんが…寝坊した俺に右ストレートで起こしてきて…」 つまり腹痛。どうだ立派な病気だ。しかもこれは事実で仮病なんぞではない。 「あ、入学早々遅刻ね。わかった、きちんと主任と担任に報告しといたげるー。」 くっ…!!かわしやがった!!! 優しくない!!この保険医の巨乳姉さん優しくない!! 「んで僕、名前は?」 僕?!仮にも高1だぞ?!馬鹿にし過ぎだろ巨乳姉さん! 「く…黒田晴斗です。」 うん、素直だ俺。 「晴斗君ねぇー。あたし藤ケ崎由李(フジガサキ ユリ)。由李さんって呼んでね。」 ニコッと綺麗な笑顔を俺に向ける由李さん。 意外とフレンドリーなんだな…。 巨乳美人…由李さん…保険医…。 「ぶほぉあっ!!」 「ちょ!晴斗君?!テイッシュテイッシュ」 しょうがないではないか。 健全な男子高校生なんだから。  
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