プロローグ

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陽が強く気温が上がる夏。 子供達がワイワイと集まる結構大きめな公園。 その真ん中には噴水があり夏の暑さをかき消してくれるように水しぶきがあがる。 その公園で三人の子供がベンチに上り歌を歌っていた。 見た目からするとまだ幼稚園くらいに見える。 三人の子供の前には2、30人ほど集まっている。 三人の子供はとても気持ち良さそうに歌っている。 その光景はまるで歌うために、生まれてきたかのように見えた。それくらい生き生きと歌っていた。 三人は歌い終えると、集まっていた人たちの拍手が三人を包む。 「「「ありがとうございました!!」」」 屈託のない笑顔で三人はお礼をいう。 「たのしかったね♪」 女の子が二人の男の子にいう。 「うんたのしかった!」 「たのしかった♪」 二人の男の子は笑顔で答える。 「やっぱりかなではうたうまいね!」 僕の名前は晴導奏(せいどう かなで)今僕の歌声を褒めてくれたのが 浅川澪(あさかわみお)ちゃん。綺麗に整った肩まで伸びる艶のある黒髪が動くたびにサラッと靡く。 「みおちゃんもうまいよ!」 「ぼくは…?」 「「ミナトは…あまり…」」 両足を両手で包み込み顔をうずめているのが橘ミナト(たちばな みなと)くん。メガネをかけ知的そうに見える。 この二人とは幼稚園に入る前から一緒。
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