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藪下高校3年B組では朝のSHRがおこなわれていた。
「山田紳助~」
「は~い」
「山本涼子~」
「ハイ」
「鑓塚拓真~」
「うい~っす」
「由良真希~」
「ハイ!」
「由良陽一~」
「…………」
「由良陽一!?」
その時由良陽一は肩を揺すられ、目を覚ました。
肩を揺すってきた方を向くと、女がこちらを見ていたので、先生には適当に返事を済ませ、再度女の方を見た。
さっきは目が霞んでいて誰か分からなかったが、その女は隣に座っている由良真希だった。
彼女はいつも寝ている陽一を起こしてくれるのだった。
そして二人には、共通点がある。
それは二人の『氏』だ。
二人は兄弟でもなんでもないあかの他人だった。
しかし、「由良」という珍しい『氏』を二人は持っていた。
そのかい有ってか二人は積極的に話したりもした。
クラスメートは仲のいい二人をそのまんま『w由良』と呼んだ。
二人もそう呼ばれるのが嫌ではなかった。
二人以外もみんな友好的な性格でとても羨ましいにぎやかなクラスだった。
しかし、そのクラスはある日から『最悪のクラス』へと豹変するのだった-
もう彼らに『悪夢の影』は忍び寄っていた。
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