~#ー1~

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(1) 藪下高校で6時間目終了のチャイムが鳴って10分もすると、ほとんどの生徒は校門をくぐり、帰路に着き始めていた。 そんな中、陽一と真希の所属する3-B組には、2人を含む数人の生徒が残っている。 といっても、陽一は帰ろうとしており、他の生徒も今から部活の者だけなので、実質、教室に残っていたのは真希だけだった。 そして、その真希はというと、手紙らしき物をひとりでに且つ熱心に書いている。 そこで、中身が気になった陽一は真希を「一緒に帰らないか」と誘うついでに手紙(?)も見てやろうという馬鹿馬鹿しい計画を立てた。 そして、 「いざ!!!」 と馬鹿っぽく言い放ったところで、計画どうり真希の席へと歩みを進めた。 そして真希の所に着き、それこそ 「いざ!!!」 というところで真希は陽一に気づくや否や 「だっっっ!!!!!!!」 と真希らしくない声をあげ、手紙(?)を両手で覆った。 その反応に陽一もビビったが 「一緒に帰らない?」 とシナリオどうり誘った。 もちろん、横目で手紙らしき物の内容を確認する。 「あ~見えん… あっ見えそう!」 が声に出してしまった。 それに気づいた真希はすかさず手紙(?)を机にしまった。 と同時にすばやく鞄を持ち、空いた手で陽一の背中を押しながら、 「さ、帰りましょ~」 となにもなかったふりをした。 陽一は教室から追い出されてから、後ろを振り向き、真希の机を見つめながら考えた。 「あの机には何が隠されているのだろうか」と。
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