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暗闇のなか、彼女の白い肌が映えて、きれいに見えてー…
「ー…っ」
思わず息を飲んだ。
「…どうかしました?」
黙ってしまった私を見て彼女は顔をのぞきこんでくる。
大きな青くて丸い目が澄んでいて美しい。
顔が熱い。胸が苦しい。何でだ?「あの…七松先輩?」
「あっいや、どうもしてないぞ!っていうか、なんで、私のことを知ってるんだ!?」
「中在家先輩がお話になっていましたから。」
「あ…長次か!長次と知り合いなのか?」
「はい。私は本が好きなので、図書室に通っているうちに話すようになったんです。」
彼女はにこにこ話す。
なんか楽しそうだ。
私も思わずつられて笑った。
なんだかこの子の笑顔は心を洗ってくれるみたいだ。
もっと、この子を知りたい。もっと話したい。
そんな感情がわいてくる。
「お前…名前は?名前は何て言うんだ!?」
「…恵々子、です」
小さいけど、凛とした声で確かに彼女はそう言った。
「恵々子か、いい名前だな!」
「あ…ありがとうございます。」「恵々子、私のことは小平太でいいからな!そんで、次はいつ会える!?」
「えっ次、ですか?」
あ、いきなりすぎたか…?
恵々子はちょっと考え込んでいる。
「…私、けっこう図書室にいることが多いので、ここに来れば会えると思います。小平太先輩、また会いに来てくれるんですか?」
「そうか、図書室だな!絶対、会いに来るよ!」
そんなやり取りをしていると、後ろから人が来る気配がした。
「ん?」
「!中在家先輩!」
「……小平太……と、恵々子……」
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