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ぱちっ
目を開けると、見慣れた茶色い木の天井が見えた。
どうやら布団に寝かされているようだ。
「…ここは…?」
「あ、目が覚めた?」
上から声がふってきた。
聞き慣れた、優しいこの声は…
「乱太郎…」
見ると、乱太郎がにこにこしてこちらを見ていた。
私は起き上がろうとした。
だが…
ズキッ
「うっ!」
体に痛みが走って動けない。
「あぁっまだ動いちゃ駄目だよ。安静にしてなくっちゃ。」
乱太郎はそう言うと、優しく布団を肩までかけてくれた。
「覚えてる?ユキちゃん、矢を体に受けて倒れたんだよ。それで、みんなで医務室まで運んできたんだ。」
「あ…そうなんだ…」
思い出した。
私は乱太郎をかばおうとして、かごの上に覆い被さって…そしたら背中に激痛が走ったんだった。
「ずいぶん寝てたから、心配だったよ。他のみんなはもう長屋に戻ってるよ。」
「そっか…乱太郎は?」
「私は保健委員だし、それにユキちゃん心配だったからさ。だから残ってた。」
「そう…」
そう言うと乱太郎は私の額に触れた。
「…えっちょっと、何を…」
「ん?熱は無さそうだね、良かった。」
「え、あ、そうね。」
ちょっとドキッとした自分が恥ずかしい…
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