昼休みの災難

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「あんまりメジャーな人種じゃないぞ」 物言いからするに常人ではないのか? でも、メジャーじゃないというのは…? 「俺の人種は『機人(キジン)』だ」 「機人?」 初めて聞く人種名だ。 俺が知ってるのは…武人、能力者、魔法使い、獸人ぐらいか。 これはマメ知識だが、魔法使いは別称に魔人がある。 昔はこれで通っていたが、この人種の方々に「まるで人外扱いされてるようだ」とか発言した人がいたらしい。 それから魔法使いと改名され、一般的な呼び名となっている。 …まあ、俺は魔法使いじゃないけどね。 しかし、機人とはあまり聞かない人種だな。 「知らなくても無理ないさ 割と最近になって、メカニズムが解明出来てきた人種だからな」 「そうなのか…で、具体的にどんな力を持ってるんだ?」 「簡単に言えば、体全体または体の一部が機械や武器になってる人種だ」 「へぇ……いや、でも…?」 シンクが機人であるなら、どこかが武器のはず…だが、俺の見る限りではそれらしいのは見当たらない。 一体、どこが…? そんな俺の疑問を汲み取ったのかは不明だが、シンクが左手で右手首を掴んで… 「俺の場合は…コレだ」 一瞬、俺は自分の目を疑った。 …肘から先の右腕が『取り外された』のだから。
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