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新世学園は、全寮制の学園で生徒全員が寮へ入る事を決められている。
寮は一年生寮、二年生寮、三年生寮と三つの寮が横に並んでいる。
三階建てで一階は食堂、二階は男子部屋、三階は女子部屋となっている。
寮のデカさも尋常じゃない。
一年生が全員入るのだから、そりゃ大きいだろうが…たじろぎそうになる。
寮の玄関へ入ると、ロッカーがあり、自分の名前のある所へ靴を入れる。
……ん?
階段に誰かいる。
上り始めてすぐの辺り…後ろ姿と制服から女子生徒であるのが分かった。
肩が上下するのが早く、上体が前屈みになっている。
(息上がってるのか…)
女子生徒の足下には大きめのダンボール箱…何となく、察しがついた。
「…重そうなダンボールだな」
「きゃああっ!?」
びっくりしすぎだろ。
いきなり後ろから、声掛けたのは悪かったけど…
「びっくりした……えっと…」
「運ぼうか、それ?」
ダンボール箱を指差し、尋ねる。
「えっ…悪いですよ!そんなの…!」
「これやってたら、みんなも行き来しづらいだろうし」
「……」
何かしょんぼりとした。
…あ、俺の言い方が悪かったんだな。
今の言い方じゃ邪魔と言ってるようなもんだもんな。
お詫びという事で…
「荷物運んどくぞ。うわ…結構、重いな」
「あ、ちょっと!」
女子生徒の声を無視する形で階段を上がっていく。
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