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とりあえず、二階の端から端まで歩いてみた。
感想を言うなれば……何も面白くない!
清々しいくらいに何も起きなかったよ。
せめて、誰かとすれ違ったりすれば会話とか出来たんだろうけど、そういう事が何にもなかった。
数分しか潰せてないよ。
どうすんの、俺?
階段に座り込んでうなだれている時だ。
「…何してるんです?」
頭上から声が聞こえ、顔を上げると…
「ああ、さっきの…」
「ここで座り込まれてる方がよっぽど邪魔になりますよ」
「…俺がアンタに言った言葉だったけど、結構傷つくな」
これから不用意な発言はやめよう。
…そうだ、ついでだから名前聞いとこう。
「アンタ、名前なんて言うの?さっき、聞きそびれたから」
「まず、自分から名乗るべきでは?」
確かにそうだ…相手を知りたいなら、まず自分を知ってもらわなきゃだもんな。
「それは失礼した。俺はクロスだ。アンタは?」
「…ハクアです」
ハクアと言うのか…ここに来て初めて知った名前だ、覚えとこう。
「ハクア…何か、良い暇つぶしない?」
「えっ!?突然そんなの言われても……う~ん…」
困りながらもちゃんと考えてくれてる…優しいな。
「………予習はどうです」
「却下」
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