初日の出会い

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「却下、ですか…」 ちょっと、シュンと落ち込んだような顔になったので、フォローを入れた。 「別に悪気があって却下したんじゃないぞ。 ついさっき、それも考えたけど勉強って面白くないだろ?」 「楽しむ為のものじゃありませんが、自分の為になるものだとは思います。 それに勉強すれば、将来の夢を実現する力にもなるし、それにそういう習慣を身に着ける事で社会に出た時、苦難を乗り越える力に…」 な、長ぇ… 長いよ、ハクア…そこへ深く突っかかる必要はないから。 どっから、そんな長い言葉が出てくるのか不思議で仕方ないよ。 「分かった分かった…… 勉強の大切さはよ~く分かった…」 「まだ、言いたい事は…」 「だから、分かったって!」 これ以上聞く事に何の意味がある。 いや、勉強が大切な事は分かった…それを長々と語らず、シンプルにまとめてほしいのだよ。 「それで…ハクアはこれから、どこに行くつもりなんだ?」 「校舎に忘れ物を…」 なるほど、だから制服のままだったのか。 学園に私服はさすがに気が引けるよな。 「そういえば、ハクアって何組?」 「一組です」 へぇー、一組ねぇ、一組…ん?
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