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それから、また少し経って。
聞きたくないことを聞いてしまった。
これがもし夢なら覚めて欲しい。
だって―――
「彼女、いたんだね」
和月には彼女がいた。
まだ見たことはないけど、話によると可愛い年下の子らしい。
苦笑して、和月が頷く。
「そういえば琴乃に言ってなかったね。理沙っていうんだけど、最近ちょっとね…」
話が耳に入らないくらい頭の中がぐちゃぐちゃになった。
聞きたくない、聞きたくないけど、ここで逃げ出して私が好きだってことがバレたら……友達ですらいられなくなるかもしれない。
笑顔を向けてくれなくなるかもしれない。
それだけはどうしても避けたくて。
結局動かないでいた。
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