part‐2

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  「……琴乃?どうしたの?」 心配そうに、和月が私の顔を覗きこむ。 気付かれないように頑張って笑顔をつくった。ちゃんと笑えてるかな。 「何でもないよ。和月に彼女いるのが意外だっだけ」 「酷いなあ…琴乃は彼氏いないの?」 心臓を鷲掴みにされたみたいに、胸が痛む。 どうしてそんなこと聞くんだろう。 「彼氏とか、いらないし。彼女と上手くやりなよ。んじゃ、私ちょっとトイレ行ってくるからまたあとでね」 トイレで、個室に入って、へたりこんで。ただボーッとした。 泣くわけでも、嘆くわけでもなく、ただ。何も考えないでいたかった。 それから、しばらくしてから教室に戻って。 私はなるべくいつも通りにふるまった。 あの時に会わなければ、友達になんてならなければ、なんてことが何度も頭を横切る。 それを振り払うように頭を振りながら、私はまたボーッとした。
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