part-4

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  「―――和月先輩に、もう近寄らないでもらえますか」 怒りしか見えない表情と、冷めた言葉。 放課後になり部活に行こうとしたら、ちょっと可愛らしい女の子に腕を掴まれて睨まれた。 幸い教室には誰もいなくて、二人きりだ。 言葉を聞いてこの子が誰なのかすぐにわかった。 「和月の彼女?」 眉間にしわを寄せて尋ねると、女の子はたじろいだ。ちょっと怖かったのかもしれない、ざまあみやがれだ。 けど、それでも私を睨みつづけてくる。 「知ってるんですね」 「まあ、和月が話してたから」 「…そのクセに昨日デートしたってわけ?」 怒りか哀しみかで声を震わせ、拳を固く握りしめていた。昨日遊んだとこが見られてたらしい。 「理沙、だったっけ。和月から聞いてない?私と和月は友達なんだけど」 「嘘。先輩はともかく、あんたは先輩のこと好きなんでしょ!!」 「……違う」 「ふざけんな。先輩が言ってた、最近ずっと元気がないって。先輩は鈍感だから気付いてないんだろうけど、女のあたしならわかるっつーの!!」 小さく否定すると、理沙は興奮気味に掴みかかってきた。 驚いてそのまま倒されてしまう。 ドガッ 「った……何!?手、出すまでのこと!?」 「自分の彼氏に色目使われて怒らない人がいる!?もう先輩に関わらないでッあの人は私のモノなんだから!! 所詮あんたなんか友達で終わるんだからっ」 ぷち、と血管が切れる音が聞こえた気がした。 押し倒されてた体制を逆にする。 「所詮友達で悪かったな!!でも、和月と話したり、遊んだり出来れば私はそれでいいの!」 「ほら、やっぱり好きなんじゃん!!隠したりして、最低っ」 しばらく、私達は互いに睨みながら掴みあっていた。 カツ、と側で足音が聞こえた。 「―――琴乃、理沙……?」 和月だった。
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