プロローグ

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  「ふー…ありがとう、何から何まで……申し訳ない」 「別に」 彼は最近この辺に引っ越してきたばかりで、私と同じ年らしい。 名前は保志 和月。 ランニングしてたら腹が減り力尽きて草原に寝ていた、と。コンビニで買ったおにぎりを頬張りながら笑って話してきた。 珍しい人もいるもんだね。 「そういえば、君の名前は?」 「ん?岩城 琴乃だよ」 名乗ると保志くんは太陽みたいに明るく笑って、可愛い名前だね、と褒めてくれた。 …その笑顔に、私は思わずちょっと赤くなってしまった。 「んじゃぁ岩城さん、もうそろそろ俺行くね」 「あ、うん」 「また会えるといいね!バイバイ」 そう言うと、保志くんは笑顔で去って行った。 ―――それから、2年に上がった最初の日。 私は保志くんと教室で再会した。
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