part‐1

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新しい教室、新しいクラスメイト、新しく始まる一年。 今は新しい担任の先生に言われ自己紹介をしている。 面倒だが、そんなのはまあ別にどうだっていい。私には興味のないことだし。 ただ、一番気になるのは。 「保志和月です。部活は入ってません。趣味は、んー…ランニングかなぁ。ま、とりあえず一年間よろしくお願いします」 適当に自己紹介してる保志くん。 教室に入って顔を合わせた時には本当に驚いた。でも、それ以上に――‥ 『あれ、もしかして岩城さん?』 嬉しかった。 私のことを覚えてくれていた。 これってまさか運命?とか本気でちょっと思っちゃったし。偶然、なんだろうけどさ。 「ことちゃん、ことちゃんってば!聞いてる?」 「………ん?ごめん、全然気付かなかったわ」 目の前にいるのは、同じ部活―――合唱部に入ってる友達の今川 まゆ。今年は同じクラスになったのだが、私と同じく“い”が最初だから席が前後になった。 少しふてくされたような顔をして、私を見つめてくる。 「もう…誰見てたの?」 「え?」 「誰かを熱心に見てたから」 鈍感そうな友人に気付かれたのかと少しドキッとした。幸い、誰を見ていたのかはバレてないみたいだけど。 「そういえば、保志くん…だっけ。あの人と知り合いなの?」 保志くんの名前を出され、ドキッとしてしまう。 「顔合わせた時に嬉しそうに話してたし、好きな人?」 「いや、違うし。ただの知り合いだよ」 無駄にかなり鋭いな、まゆちゃん。この子にバレると面倒そうだし頑張って隠さないと。 ………いや、ちょっと待て。 「バレるとかバレないとかって…好きなわけでもないのに、何言ってんの私」 思わず口に出し、ハッとして前を見るとまゆちゃんはもう前を向いていた。
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