part‐1

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自己紹介はもう終わったらしく、先生が何か話している。 「――と、いうことだ。新しいクラスだが、みんな仲良くな。 では今日はこれで終了!起立」 考えごとしているうちにいつの間にかホームルームが終了。 全然話聞いてなかった。 とりあえず、さっさと部活に行かないと。 「まゆちゃん、遅いと置いてくよ」 「待ってことちゃーん!!まだ靴履き替えてないぃ…」 「ったく…早くしなよ」 ため息をついてまゆちゃんを眺めていたら。肩を誰かに叩かれた。 誰だろう、と後ろを向くと――― 「岩城さん。ちょっといい?」 保志くんだった。 とくん、と自分でもわかるほどの心臓の音が鳴る。 爽やかな笑みを私に向けて、小さなメモ用紙を渡してきた。 「これ、俺のメアドなんだけど……よかったら、いつでもいいからメールくれない?」 「……え」 「何てゆーかさ。 同じクラスになったのもただの偶然に感じないし…まあ簡単に言うと岩井さんと仲良くなりたいから、だね」 ちょっと照れながら言う保志くんが可愛い……なんて変態まがいなこと無意識に思う自分に自己嫌悪してしまう。 何考えてんだろ、私。 でも正直に言うと嬉しかった。 だから貰っておくことにしておこう。 「んじゃ…貰っとくね。メールするわ」 「ありがとう!!楽しみにしてるよ。じゃ、また明日」 「うん、バイバイ」 今日中にメールするかな。 なんでか、メールすることを考えると少し胸がときめいた。……もしかしてこれって、恋とかですか。 「ことちゃん!!」 すっかり存在を忘れていたまゆちゃんに声をかけられ、ちょっとびっくりしてしまった。 そうだ、まゆちゃんいたのか。 「何」 「もうもうもう!!モテちゃってぇ~、付き合い始めたら教えてねっ」 どうやら見られていたようだ。 まゆちゃんはにやにやしながらこっちを見ていた。 相手にするのが面倒だから放置して部活に行くか。 「ちょっと待ってよ~ことちゃん~」 結局私はまゆちゃんを置いていったのだった。
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