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慣れってのは恐ろしいもので、1ヶ月たらずで私たちは互いの家に遊びに行く仲になっていた。
結構色々と言い合える友達、みたいな……感じなんだろうなぁ。向こうからしたら。
と思いながら適当に過ごしていた。
今のクラスはそこそこ気に入っている。そんなうるさいわけでもないし、かといって地味なわけでもない。
平凡、というのが一番正しいだろうか。
まあ何より、和月がいることが一番良い。
「ことちゃん、また考え事してるぅ~」
「…………」
そういえば最近席替えをした。
別にいいけど、またまゆちゃんが目の前の席に。
私には何か取り付いてるのだろうか。
「まゆちゃん」
ふと、まゆちゃんに和月とのことを話そうかと思った。
実は今まで誰にも話してなかったんだけど、なんとなく…まゆちゃんになら、と思って。
「なぁに、ことちゃんっ」
「私、好きな人いるんだよね」
「……え。ええぇえ!!?誰?誰がす――もごッ」
叫ばれたら流石に恥ずかしいよね、うん。つーことで口を塞いだ。
しぃ、と手で合図すると、こくこくと頷いた。
「和月、だよ。向こうは多分友達としか思ってないだろうけど」
「あ~、そうなんだ!!絶対いける、大丈夫だよ!二人ともお似合いだしっ」
興奮しながら手を掴んでくるまゆちゃんに若干引きながら、クラスの男子と話している和月を見た。
誰にも隔たりなく見せる笑顔がやっぱりカッコいい。
「ちょっとことちゃん、保志くんのこと見すぎだよ」
「あ…そうかな?」
いつの間にか見つめてしまっていた。
やっぱり笑顔が輝いてるから見てしまう。恥ずかしながら。
そんなこんなで1日が経ったのだった。
ちなみにまゆちゃんは、親身になって話を聞いてくれた。まゆちゃんに話してよかったかもしれないな、なんて思えた。
何事も相談してみるもんだ。
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