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「上等よ!
掛かってきなさい!」
レイミーはカインの挑発とも取れる言葉を笑顔で受け流すと棍を持つ手に力を込めた
「行くよ!」
カインはその言葉と同時に走り出す
赤色のTシャツに付着した汗が不快に感じるが、それを無視してレイミーに向かって行く
「っ!!はやっ!」
カインの動きは先程よりも数段速く、気付けばもう目の前にいた
驚きから思わず声を上げてしまったが、すぐに冷静さを取り戻し、棍を左手と背中で挟み、あいた右手で拳撃を放つ
カインはそれを頭を下げて避けると振ろうとしていた剣を手放し、レイミーの着ているピンク色のTシャツの首元を掴んで背負い投げした
「きゃっ!」
カインの予想外の攻撃に対応出来ず、空中に投げ出されてしまったが、レイミーは小さく悲鳴を上げただけで直ぐ様受け身を取り、体制を立て直すと危なげなく綺麗に着地した
「はああ!」
「!!」
近くから聞こえてきた気合いの言葉に咄嗟に反応して、水色のミニスカートから露出している細く綺麗な白い足で背後に右回し蹴りを放った
「ぐっ!」
状況はすぐに分からなかったが、小さな苦悶の声と遠ざかっていく空を切り裂く音が聞こえ、カインの奇襲を防げたのだと理解するに至った
背後を振り返って見るとカインが胸の前で両手を組み、片膝を付いている
手に剣を持っていない所を見るとレイミーを投げ飛ばしてすぐに駆け出し、レイミーが着地するのを待って攻撃を仕掛けて来ていたようだ
(本当にびっくりだわ!
本能的に何とか防ぐ事は出来たけど……。
正直さっきのは危なかった……)
投げ飛ばされた時に落としてしまった棍を見据えながら心の中でほっとして安堵の息を吐く
カインの成長には驚きを隠し得ない
昨日までのカインならばこのような事態に陥る事はなかったはずだ
どうやら自分と同じくカインも日々強くなっているようだと実感した
彼の先程の言葉に嘘はなく、油断していると足元をすくわれる事になるだろうと思い、レイミーは気を引き締めた
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