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―― アレウス side
今日の楓はおかしい…何がおかしいって?
そりゃオメェ、楓が普段は履かないスカートを履いて、やけにめかし込んでやがるからだ。
鼻歌なんかも唄ってるから機嫌が良いのも見てとれる。
「…お前、どっか行くのか?」
あまりに疑問に思ったからそう尋ねると。
「うん、デートにねっ」
な ん で す と ?
「……悪い、心にノイズがかかって聞けなかった…今なんつった?」
「あははっ、何それ? デートって言ったんだよ」
嘘 だ ろ 、 オ イ
「晩ご飯までには戻るからね。 それじゃー、行ってきまーす」
「待っ………!」
虚しく玄関のドアは閉められたのだった。
楓の逢引(デート)相手ってだれだ?!
キュイラス?…いや、あんなアゴヒゲはアゴヒゲだし。
シグルドか!?いやいや、アイツは恋愛なんざ興味なさそうだし。
ジンか!?!いやいやいや、それはねぇ、あんな奴を楓がデート相手に選ぶわけねぇ、モグラだし、メガネだし、アイマスクだし。
誰だ、誰だ誰だ誰だ誰だ!?
万が一、俺の知らないところで出会った野郎だ…まさか!出会い系?!
駄目だ!最近出会い系を通じての性犯罪が多発して……っ!
「こうしちゃ居られねぇ…!」
何かがショートした俺はIDカードを持つと、楓の後を追った。
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