● ガールズデート?

3/10
前へ
/75ページ
次へ
  ―― ウォッドタウン ―― 楓 side 私はRIVIROからウォッドタウンに続くゲートの前で、待ち人を大人しく待っていた。 アレウスにはふざけてああ言ったけど、本当は買い物に付き合って欲しいと言われたのだ。 約束の時間まであと5分になった時。 「楓様」 名前を呼ばれて振り返る。 そこには待ち人であるセレスさんだった。 「こんにちはっ!」 「こんにちは。 待たしてしまったかな?」 「いえ、私も今来た所です」 セレスさんは女だてらに戦闘員を束ねる幹部を担っている。 なんでも、元旅団海賊で世界中の海の猛者達を蹴落とし、七大海の女王と呼ばれるほどすごい人だ。 その振る舞いは"女王"の称号に負けず劣らず、堂々としていてアレウスやキュイラスさん、シグルドさんへ間違っていることは間違っていると、当たり前のように言える、格好いい女性。 格好いいにも関わらず、とても綺麗な人。 だから私は、見劣りしないようにちょっとめかし込んで来てたりする。 そんな格好いいセレスさんが私に忠誠を誓ったものだから、RIVIRO上層部は一時騒然としたのだ。 「今日はどんな買い物なんですか?」 「新しい毛皮を見たくて。 それに、楓様も家事ばかりではなく、外に出た方がいいと思ってな」  
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

537人が本棚に入れています
本棚に追加