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ゴーン、ゴーンと屋上にある巨大な鐘が休憩の終わりを知らせる。どうやら蛍と話しているうちに時間が過ぎたようだ。
立って話しをしていた生徒たちは席に座りだすと同時くらいに、
ガラガラ、とドアを開けてメザニー先生が再び教室へと入ってきた。
「静粛に。」
もちろん誰もしゃべっていない教室
なのだが、メザニー先生は何故かこの言葉を言う。
(やっぱ、口癖なのかな?)
恭真がそのような事をちらりと考えている間に、前の席の生徒がすでに自己紹介を始めていた
一応、自己紹介は聞いておいたほうがいいだろうと考えた恭真はその生徒の方へと体を向けた。
すると、恭真とは真逆の後ろの席の机が、一つ空いていることに気がついた。
(おいおい、入学式そうそう休みとか誰だよ。)
そんな思いと少しばかりの興味を抱いた恭真はチラリと空席の持ち主の名前を黒板で確認してみる。
ナーガ・パリコット
それがその席の持ち主の名前であった。
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