1、凍りついた入学式

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蛍、その隣の衣吹は自己紹介を順調に終えて、とうとう天使モドキと言われていた生徒の番となった。 天使は静かに自分の席から立つと、 「あ、あの、すいません。8割天使の血筋のハルテ・ハルトと申します。ネ、ネクタイしてますけど、女です。すいません、よ、呼び方はハルテでもハルトでも、な、何でも大丈夫です。よ、よろしくお願いします。すいません。」 さきほどと変わらずモジモジとした口調ではあるが、自己紹介をした。 フワフワとしたなめらかなクリーム色の髪、少しばかりオレンジがかっているふんわりとした瞳は、どちらもおとぎ話に出てくる天使を連想させる。 セルスト学園の学生は、女子ならばリボンとスカート、男子ならばネクタイがクラスカラーと同じ色となる。 クラスSSのカラーは赤であり、女子ならば赤と黒のチェックのリボンを付ける。しかし、ハルテは女子なのに何故か赤と黒のチェックのネクタイをつけていた。 「お、お前、女だったのか!?」 ネクタイをしていたこと、そして今まで座っていたため、スカートを履いていることに今まで気がつかなかったナーガは驚き思わず叫ぶ。
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