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「恭真、校門まで一緒にいこうぜ!」
恭真の肩をぽんっと軽く叩きながら、チャラ狼の蛍が声をかける。
「ああ、いいけどちょっと訳ありで鞄の中身がぐちゃぐちゃだから、整理するまで待っててくれるか?」
もちろん、鞄がぐちゃぐちゃな原因は朝一気に魔法アイテムや財布、予備の魔法カードなどを突っ込んだこと。そして、ドラゴンのアイスで登校したため、風圧やスピードでもみくちゃにされたからである。
「いいけど、何?もしかして恭真って、意外とキレイ好きなパターン?」
蛍はせっせと鞄を整理する恭真をみながら不思議そうに訪ねる。
「まぁな。」
ドラゴンで登校した。などと言うと「見せろよ!」などと言われて面倒なので、そういうことにしておいた。
「へぇ、意外だなぁ。」
珍しい動物でも見たような目で、恭真を見ている蛍。
「悪い、待たせた。」
「大丈夫、行こうか。」
蛍に軽く謝り、二人でクラスSSを出た
。
下駄箱を出ると左右には広がる一面の芝生の広場、朝は気がつかなかったのだが、きっとこの広場で魔法の練習をしたり、実際に仲間と競ったりするのだろう。
「なあ、恭真?」
不意に名前を呼ばれ、首を100度近く回し、蛍に顔を向けると
「ほら、あそこをみてみろよ。」
蛍に言われるがまま蛍が見ている方向を見ると、右側の芝生の奥に人だかりができているのが、かろうじてわかった。
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