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「静粛に。」
誰1人しゃべっていない静かな教室だけれども、真っ赤なスカートの女性はそう言った。
(いや、誰もしゃべってませんから。
声すら上げてませんから。)
心の中の恭真の声は届くわけはない。
「わたくしは、クラスSSの担任になりましたメザニー・タリプラネと申します。わたくしのことはメザニー先生、とでも呼んで頂戴ね。ちなみに少しばかり精霊の血筋なのよ。自己紹介はまた後でにして・・、あなたたちクラスSSの生徒は新入生300人の中から、校長に選ばれた数少ない生徒なのです!そのことを光栄に思い、自分を向上させて下さいね。それから・・・・・」
まったくをもって終わる気配のないメザニー先生の話。
正直退屈であろう恭真は自分の席からクラスメンバーを見渡した。恭真の席は2列目の(横5人なので一番後ろのだが、)一番窓側である。前は魔女みたいなトンガリ帽子をかぶった女の子。トンガリ帽子のせいで黒板が見えないかも、なんて座る前は思っていたが、女の子自体の伸長がかなり低いので問題はなかった。
そして、恭真の隣はチャラそうな男だ。どっかでみたことあるような気がするのだが、思い出せないので知らないということにしておこう。
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