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「…きっと風邪ね。これからさらに熱が上がるわ。」
保険医はそう言って亜紀に布団をかけ直した。
「何があったのかは知らないけれど、いくら強いっていっても女の子なの。それくらいは分かってあげなさい。」
保険医は俺にそう言い放った。
「…知ったこっちゃねーよ。」
そして、なぜか俺は亜紀を家に連れて帰って看病することになった。保険医いわく、「女の子は繊細なんだからちゃんと看病しなさい!」らしい。
「…はぁ…なんで俺様がこんなことしなくちゃならねーんだよ…。」
俺は鍵を開けて亜紀の家に上がり、たったひとつしかない部屋のベットに亜紀を寝かせた。
そして、今に至る。
「…とりあえず、保険医に言われた通りにやってみるか…。」
さっそく保険医から貰った風邪薬を取りだし、一旦下に降りて水をコップに注いで部屋に持っていく。
ガチャ
「うおっ!!?」
ビックリしてすげぇ声が出た。なぜならさっきまで寝ていた亜紀が立っていたからだ。
亜紀「閻魔ゴメンね?迷惑かけちゃって。後は自分でやるからいいよ。」
亜紀はすまなさそうに苦笑いして俺の手から持ってきた水の入ったコップを取って台に置いた。
「ホントかよ?まだ顔赤いぞ?」
亜紀「だいじょーぶだいじょー…」
グラッ
「おい…っ!」
亜紀「きゃっ!」
ドサッ
倒れてきた亜紀を受け止めようと踏ん張ってみたら逆に亜紀を押してしまいそのまま倒れ込んだ。
「っ……痛ぇ…。」
気がつくと俺は亜紀を押し倒した状態になっていた。
「あっ、悪ぃ!!」
俺は慌てて立ち上がって亜紀の上から退く。
亜紀「…閻魔…。」
「なんだ…よ…」
呼ばれて見ると亜紀が潤んだ目でこっちを見上げて笑った。
亜紀「…ありがとね…心配してくれて…閻魔の優しいところ、良いと思うよ…?」
ドキッ
俺は恥ずかしくなって亜紀の顔から視線をずらす。
「し、心配なんかしてねーよ!ただ世話しろって言われたからしてるだけだっての!\\\\」
鏡を見たらきっと今俺は顔が真っ赤になっているのだろうと思うと余計恥ずかしい。
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