~遠い遠い昔話~

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今、私達の目の前で龍が倒れている。 大きさは、人が3~4人くらいの緑と赤の龍だ。 普段は、誰とでもバカな話で盛り上がっている。 なぜか不思議な事に、その龍は人の言葉を話せる。 その私達の「友達」である龍が目の前で虫の息なのだ。 原因も解決策も、「守り人」である私たち4人は知っていた。 「おい・・・・お前ら、準備はいいか。これは、俺達『守り人』しかできない事だからな。」 「これでセルちゃんは、助かるの~?」 「セルザの為だ。仕方ねえ。」 「ふん、別に私はどっちでもいいけど・・・・。」 そう、 今からこの地にルーンを活性する為の儀式を行おうとしている。 私達4人は、その《ルーン》を膨大に持っている。 この(セルフィア)にルーンが無くなれば、私達の友達である『風幻竜 セルザウィード』がルーンとなって消えるだろう。 「そろそろ始めるぞ・・・」 全員が祈り始める。 きっと、4人が4人ともに同じ事を祈ってると思う。 (セルちゃんが苦しそうなの。コハクが頑張れば楽になるかなぁ?次に会う時は・・・・・2人で飛びたいの!!) (あいつが消えるのか・・・それは困るな。そういや、あいつが釣りを教えてくれたっけな・・・。ハハッ、次に会う時は、あいつと釣りでも・・・・) (セルザがいなくなれば、セルフィアの人達が悲しむわ。別に私は悲しくないわよ。お父さん、お母さん、ごめんなさい。『帰ってこい』という約束、守れそうにありません。私の意志だから・・・・ね・・・) (セルザは迷惑だな。俺の釣った魚をいびきで焼きやがって。おかげで、火を通した魚の美味しさがわかったよ。次に会う時は焼き魚でも一緒に・・・・・・)
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