5人が本棚に入れています
本棚に追加
(おい、聞こえてるか・・・?)
(あ、はい。)
オレ達は今、飛行船の荷物置き場のタルの中に入っている。
鎧を着て、タルの中に入っているので、春の月なのにカナリ暑い。
(ところでアニキ。オレ達、何をしてるんで?)
(バカやろう!そんなことも知らずについてきたのか!)
(だって、聞くとアニキが怒るから・・・。)
(あ・あ・ん!?)
やっぱり怒った・・・。
アニキ、コワイ・・・。
(な、なんでもないです!)
何故ここに来たのだか分からない。
ついでに言ったら、何故アニキが怒っているのかも分からない。
それを聞いたら、アニキはまた怒るだろう。
(・・・オレ達は、そこのアイツに用があってこんなことしてるんだよ。ほら、見てみろ。)
よかった。アニキの口から言ってくれた。
(アニキ、真っ暗です。)
(穴が空いてるだろうが、このバカ野郎!!)
(あ、ホントだ。)
(・・・ったく。)
オレに対して呆れてしまったのか、怒らなくなった。
(なるほど、あの男ですね。)
今回のターゲットは、金髪の男だ。
その男は何故か、普通の人間とは違ったオーラをもっている。
服装は普通なのに。
一言で言えば、《神の遣い》である。
(じゃあ出るぞ。いいな?)
(へ、へい。)
自分でも情けない返事だと思う。
次の瞬間、アニキのおらび声と同時にタルから飛び出た。
最初のコメントを投稿しよう!