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服を着替えて、
河崎は平静を取り戻す。
「.... あの人は、何も悪くないのに.... 」
冷静に、
昨日からの北山という男に対する自分の態度を振り返った。
あんなに一方的に終わらせてしまったのに、
それを気にして声を掛けてくれただけなのに....
「.... サイアク.... 私。」
隣の人は、“あの人”じゃないのに。
これから先、近所として世話に全くならないわけではない。
そして、
恐らく彼はそれをわかっていて昨日の修復を図ったのだろう。
.... .... 無下にしたのは、私。
私から言わないと、いけない。
でも、
あの顔、あの声。
それを目の前にして、平気で居られる自信がない。
河崎は、電話帳の名前を見つめた。
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