#02

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河崎は、実家から送られてきた林檎を袋に提げて家の隣で待っていた。 夜の、涼しい風が心地好い。 帰ってきて、 インターホンを押した。 が、 どうやら留守なようで、河崎は家では待たず、北山宅の前で立っていた。 もうすぐ帰るだろう、 そう思いながら。 実際のところ、 あの顔と目を合わせる事が、怖い。 理性が、飛んでしまう。 思わず、逃げたくなり、 触れたくなる。 他人とのギャップに崩れてしまうことを恐れてる。 でも、このままでは駄目だ。 これは、 試練なのか。 甘えを断つ、 本当の意味で。
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