#02

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.... .... .... .... .... 何? 何が、起こってるの? 懐かしい匂い。 温もり。 .... 大輔? 河崎は、腕を背中に回した。 ゆっくりと、感触を確かめるように。 それに合わせて強くなる抱擁。 .... 違う。 だって、 もう、いない。 .... じゃあ、 誰? 「──っ!!」 ドンッ! 「っ!」 河崎は、北山を突き飛ばした。 「.... .... .... あ.... 。」 北山は、自身の両手を見詰めていた。 林檎のビニールは足元に落ちたまま。 「.... .... .... 失礼します。」 河崎は、辿々しく玄関の鍵を開けて、 バタン! 自宅に入っていった。 「─────あーー!もう!」 北山は、林檎の袋をガサッと持ち上げ、 空いた手で前髪をグシャグシャと掻いた。
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